6月10日~挨拶はたいへんだ~
50年位前、どういう訳か、私は結婚式の司会をよく頼まれた。
まだ自分が結婚もしていないのに、と家族の者に笑われたこともあった。
司会をしていて、一番困る事は、主賓の挨拶が長いことだ。
当然結婚式は時間の制限がある。しかし、当事者も頼んでお願いしたてまえ、主賓の人に時間の制限を申し出る事は難しい。
特に大物の政治家が一番厄介だ。
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或る後輩の式で、花婿の父親の親友の代議士が挨拶に立った。
この人の話は長いと覚悟はしていたが、花婿の話はちっとも出ず、父親の話ばかり30分以上続けた。
しかも花婿・花嫁に座れとも言わないので、さすがにホテルの係りの人が促して座らせたが、それでもまだ話は終らない。
さすがに客席もあちらこちらで小声の雑談が始まった。
やっと終ったと思ったら、「私は次の席があるので、失礼します。」と退座してしまった。
花嫁の主賓は、さすがに面白くなかっと思ったが、たいへん上手く2分ぐらいに纏めてくれてホットした事を覚えている。
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又或る式では、友人たちが悪ふざけをして、花婿の独身時代の悪さを次々に話し始め、段々悪乗りしてきた。
これはまずいと司会者として注意を促したが、時既に遅く、花嫁の叔父が途中で怒り出し、「こんなふしだらな男に、可愛いい姪を結婚させるわけにはいかない。」と式場で怒鳴りだし収拾付かなくなり、いやな思いをしたことも有る。
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先日、図書館で、丸谷才一氏の「挨拶はたいへんだ」という本を見つけ借りてきた。
結婚・叙勲祝い・出版記念・弔辞、など様々な挨拶の事例が載っている。
丸谷氏は、どんな挨拶も必ずその人の自分との間柄を考え、必ず原稿を作ってそれを詠みながら挨拶をされる事を知った。
挨拶は短いほどいいが、それでも言いたいことはきっちり表現しなければならない。
人によっては、挨拶を原稿頼りにする事を恥ずかしがる人がいる。
しかし、多くの人は、大勢の人の前で話をするのは、知らない間に上がってしまう。
すると言いたいことを忘れてしまったり、言わなくてもいい事を言ってしまったりしてしまう。
時には自分が何を話しているのか判らなくなりエンドレスになってしまう事にもなりかねない。
予め原稿を作っておけばこのようなことは避けられる。
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卓話など頼まれ、テープの撮っておいて後で聞いてみると、思わず恥ずかしくなるような場面が出てくることがある。
昔、社員教育のひとつとして、「トーストマスター法」と言って「3分間スピーチ」の訓練をしたことがある。
自分が今どのくらい話したか時間を知る訓練だ。
今日はどのくらい話したら一番適当か考え、なるべくその時間で纏める慶子をすることはたいへん重要な事だ。
何でも準備が如何に大切か、丸谷氏の本を読んで痛感した
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