6月14日~病床にて~
先月末、朝起きて顔を洗う時、血痰が出る日が2・3日続いた。
心配なので近所の掛りつけの先生に診てもらった。胸のレントゲンを撮り以前の写真と比べると、明らかに右の肺に曇りが出ている。
「これは念のため大きな病院で精密検査を受けたほうが良い。」と言われた。
別に何処も痛くなく自覚症状は全くないが、翌日以前世話になっていた友人に急遽頼み診てもらった。
持参したレントゲン写真を見て、すぐにCTを撮り入念に診ながら、
「これは悪性の腫瘍ではないが、肺炎に罹りかけているようだ。結核の可能性もあるので、呼吸器科の専門医に見てもらったほうが安全だ。」
と言い、その場で以前副院長をしていた、三井記念病院の予約を取ってくれた。
持参したCTの写しを診て、痰を調べた。その結果が出るのに2時間近く掛った。
待っている間、段々心配になってきた。気のせいか胸の辺りが少し痛む気がしてきた。
先生に呼ばれて診察室に入る。
「確かに胸に影はありますが、悪い腫瘍とか結核の心配はありません。ただ肺炎にかかりかけています。熱海にお帰りになって直ぐに病院に入られるか、できればこのまま5日ぐらい入院をして更生物質の点滴をして様子を見たほうがいいと思います。」と言われた。
直ぐに家族と相談をしてそのまま入院する事にした。
何にも入院の用意はないが、東京に居る娘が飛んできて必要な物を揃えてくれた。
とりあえず空いている個室に入れてもらい、直ぐに点滴をしてくれた。
考えてみると朝食から何も食べていないので腹が減ってきた。病院の食事をむさぼるように食べた。
カードを購入すると、テレビは1日300円、冷蔵庫は200円、便利に用意されている。
夕暮れに掛った都心は、窓から見るとビルの乱立、全く緑が見えない。
何か急に密室に隔離されたような気がしてきた。
***
翌日は朝から点滴と採血、最近は年を取ったせいか血管の出が悪く採血するのに看護士さんは苦労をしていた。
十数年ぶりの入院で久しぶりにゆっくり休んだ。
若い担当の先生は親切でハンサム、丁寧に病状を聞きながら適切に説明をしてくれる。
4日目あたりから血痰も出なくなった。
心電図と超音波を30分くらい掛けて丁寧に見てくれた。
「もう明日当たり退院してもいいですが、念のためもう1日様子を見ましょう。」と言う事で、8日目に無事退院をした。
***
毎日一万歩以上歩いていたが、一週間も歩かないと足元がおぼつかない。
駅の階段の上るのに疲れてしまった。人間日ごろの運動が如何に大切かを痛感した。
後で聞くと、年寄りの肺炎は急変して命取りになるケースが多いそうで、軽く考えていたが、運がよく早期発見で軽く済み、日ごろ少し無理をしていたので良い休養になったようだ。
しかし人間と言う物は暇になったら本でも読めると思ったが、イザ時間をもてあますと何をしても気が入らない。
「忙しい人に物を頼め」と言う格言を実感した一週間だった。
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