6月4日~アーカイブス~
書棚を整理していたら、30年位前の日記帳が出てきた。
当時会社では幹部社員教育の一環として3年連記の当用日記をやい譜し、自己行動の記録を指示していた。
思わず手にとって読み出すとつい夢中になって整理は中断してしまった。
丁度専務から社長に就任した頃で、バブルとその崩壊の真っ只中、私のサラリーマン生活で一番多忙でもっとも充実した時期だった。
毎日スケジュールに終われ、日記も断片的だが、一つ一つのことが鮮やかに思い出された。
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最近、アーカイブスと題して古い資料が脚光を浴びて、テレビなどは往年の各番組が再演されるケースが急増している。
制作費を節約するたもの措置も考えられるが、それだけでなく、過去の日本のよき時代を懐古する意味も増えているのだろう。
昭和30年代、まだ戦後のにおいが残っている、芝周辺を描いた「夕日丘三丁目」が中年以上の人たちの追憶をかきたてヒットした。
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名人といわれた人は意外と自分の演技を特集に残すことをためらっている。
六代目菊五郎の昭和10年に録画した「紅葉狩」の貴重な記録が残っている。
しかし、かれは「俺はこんなに下手なのか」と、言って後世に残すことをこだわったと聞いている。
また、昭和の落語会若手名人といわれた「古今亭しん朝」は、企画者が記録をとりたいと願ったが、なかなかこれに応ぜず、やっと4年後に承諾した。
それは見事な記録で、しん朝の名技がそのまま残っていると、評判である。
通常、将来に残すとなるとベテランでも上がってしまって、本来の味が出ない場合が少なくないといわれている。
今では舞台などいつでも録画できるようだが、それでも実写となると、照明や音声などに気を遣うので必ずしも、平時とは違った緊張感があるようだ。
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自分の卓話やセミナーのテープを聞いていると「あっ」と、思うミスや失言が出てきて恥ずかしく感じるが、文章を書くの違って常に真剣勝負だからライブは恐ろしい。
私は、社長在位の10年間、毎月給料袋に社員にメッセージを同封してきた。
これを2冊の本にまとめ「社長の給料だより」と題して発刊した。
時々、取り出しては過去を思い出す、私のアーカイブスである。
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